以前図書館で借りた「タカラの山 老舗玩具メーカー復活の軌跡」の感想です。
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2000年前後、経営危機に瀕したタカラが数々のヒット商品を生み出し躍進をするまでの経緯を
様々な関係者からインタビューするドキュメント形式になってます。

リカちゃんやトランスフォーマーをヒットさせた創業者、佐藤安太氏の敏腕経営。
90年代、長男・博久氏への代表権の移管により組織経営が導入されるものの社風の悪化を招き
次男・慶太氏まで去るという事態に。
会長となっていた安太氏が再度社長に復帰するものの立て直しはできず、別会社を起業していた慶太氏が
代表となり抜本的改革に乗り出す―。

何故タカラは危機に陥ったのか、そんな中で社員はどんな思いをしたのか。
そんな視点で描かれていました。


玩具という商品の特性について、たとえ売れ筋商品でも”波”が去ってしまうと駄目、「楽しさ」や「面白さ」という価値を売っている・・・といった記述が印象深かったです。
生活必需品でないが故にどうやって需要を生み出していくかに苦慮している様子がうかがえました。

また『e-kara』や2001年に復活した『だっこちゃん』といった商品に携わった人達の
エピソードも面白かったです。