ヴェネツィア史に関する著作を2冊読みました。

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「海の都の物語」(上下巻)と「図説ヴェネツィア 「水の都」歴史散歩」。

何故これらを読み始めたかというと「ローマ人の物語」をきっかけに著者である塩野さんの他の著作を
読むようになって、「ローマ亡き後の地中海世界」「十字軍物語」を読みその中で度々中世史を賑わせた
ヴェネツィアに興味を持ったからです。

特に印象的だったのはヴェネツィアの外交手腕と商人の生き方について。

当時はオスマン帝国の西方への領土拡大が続きヨーロッパ全体がトルコの脅威に脅かされる中、
東方との交易を続けたいヴェネツィアは独自に講和を結んだことでヨーロッパ諸国からは批判を浴びることに。

しかしながら第4次十字軍では騎士達の要請に答え、当時の元首エンリコ・ダンドロを先頭に
文字通り挙国一致で協力。といっても宗教的情熱に駆られてということでは決してなく、
要請した騎士達には提供する人員や物資、船舶分のお金を要求するあたりがなんともヴェネツィア人的。

このようなダブルスタンダード的な外交があればこそ国力の小さいヴェネツィアが1000年以上の歴史を
築けたといえるのかもしれません。

またヴェネツィアの商人は最初石弓兵として船に乗り寄港地で商売を行う(船の乗組員は全員商売道具を
積みこむことができた)ことで商業技術と航海技術を学びつつ資本を蓄え
商人として育っていくという過程が面白かったです。




ちなみに今日5月12日は1797年ヴェネツィア共和国が滅んだ日。
稚拙な感想ではありますがそれに合わせて公開してみました・・・。